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医療検査は神のお告げ [医療、健康]

本日もこの本の中から。しつこいと思われるかもしれないが、この本は医者にかかる前に絶対読んでおくべき本だと思う。また医者に縁のない人でも自分が払う健康保険料がどのように使われる可能性があるのか知っておくべきだと思う。この本が書かれたのは10年以上前のアメリカで情況は多少違っているかもしれないが、根本的なところはそのまま現在も当てはまると思う。

 

医者が患者をだますとき

医者が患者をだますとき

  • 作者: ロバート・S. メンデルソン
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 1999/02
  • メディア: 単行本

 

それでは

患者の利益より不利益になることが多いのが臨床検査である。臨床検査室のデータの不正確さは、もはやスキャンダルと呼ぶべきありさまである。かつてアメリカ疾病対策センターは、全国の検査室で発生したミスに関する調査結果を発表した。(1975年)それによると検査ミスが発生した割合は全体の4分の一以上もあり、その内容は次の通りであった。

・細菌検査10~40%

・臨床生理検査30~50%

・血液型検査12~18%

・血液検査(ヘモグロビン・血清電解質)20~30%

 毎年、検査費用として巨額な予算が投じられているが、それで得たものは一体何だったのだろう。その「投資効果」をあげてみよう。

 数多くの検査室を調査した結果、疾病対策センターは次のことを突き止めた。鎌状赤血球性貧血を確認できない割合31% ,伝染性単核症(白血球増加症)の誤診33%以上、正常な検体を白血病と誤診される割合5~12%だった。

 また、200人の患者に検査を繰り返しただけで「異常が完治した」という検査結果が出た報告もある。私はこれを「傑作」と評価している。

 ショックを受けるのはまだ早い。疾病対策センターはこの時点で全米の検査室の一割以下しか監視していなかったのだ。従ってここにあげた数字は最高水準の検査室のしかも採鉱う水準の実態ということになる。残る9割以上については国民自らがお金を払い、身体をはって確かめねばなるまい。

 国民が負担する費用はこれからもまだまだ増えていくだろう。なぜなら医者はバカバカしいほど念入りに検査を行ことを美学としており、検査を受けなさいと患者に指示を出しまくるからである。

 このように検査結果というのは不正確きまわりないしろものである。検査は「占いの儀式」、検査結果は「神々のお告げ」とでも呼んだ方がいっそふさわしい。たとえ神々が気前よく奇跡を起こして結果を正確なものにしてくださったとしても、医者がそれを間違えて診断するという危険性が残っている。

ある女性がこんな手紙を送ってきた。

「最近受けた健康診断で、便に血が混じっていることが分かりました。そして医者にバリウムを飲まされてレントゲン検査を受けさせられただけでなく、ありとあらゆる検査を受けさせられました。結果は全て『異常なし』でした。ところが、その医者はまだ気が済まなかったようです。私はたくさんの検査で苦痛を味わいましたが、医者からさらに検査を受けるように言われました。

 半年後、私の体はすっかり衰弱してしまいました。結局、医者の最終的な診断は『胃酸過多』でした。」

この女性はこれでもまだ運が良かったと言うべきかもしれない。もしこの女性がストレスにもう少し弱かったら本当に病気にされてしまったかもしれない。この女性は数々の検査のストレスに耐えるだけ十分な健康だったのだと思われる。

このような事実、事例をみると検査機器、検査剤、それに関わる人件費等、一大産業であることが想像できる。その産業を維持するためには病人が必要なのである。

 


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