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ベーシックインカムという考え方 [格差社会]

 

ベーシックインカムとはとても簡単に言ってしまうと、全ての人に一定の所得を与えようという考え方。それは、個人に交付され、職歴、資力、能力、など全て無条件に給付しようというもの。

こういうのを聞くと働きに働いてストレス一杯の資本主義社会の戦士達の多くは拒否反応を示すかもしれない。怠け者に金やるなんて・・・・と

でも、どちらかと言えばこの社会の階層構造の底辺・貧困者層に置かれている(私もこの中に入る)人たちにとってはとても納得できる考え方ではないだろうか?誰もが自分で好きで選んでこの位置にきたわけではない。この社会の流れの中でここに追い込まれてしまっただけだから。

 「ベーシック・インカム」は妙案かも 

http://www.vill.nakagawa.nagano.jp/intro/v_chief/026_20080604b.html

この記事は信州 中川村の村長・曽我氏が書いたものだが、非常に分かりやすいと思う。また、曽我氏の文章に対して感想を寄せられている方の文章と返事も載っているので是非、原文も見てください。

下は曽我氏の記事の一部です。

 受け継がれてきた環境や景観を大切にし、伝統文化・暮らしを引き継いで、「美しい国」を守っていくためには、農業や林業従事者にむけて国において現金補助をして頂く他はないのではないか。そんなことを考えていた。

 しかし、この本を読んでわくわくした。ベーシック・インカムの発想は、もっとラディカルだ。ヨーロッパで議論され始めたアイデアで、生きていくのに必要・十分な所得を、すべての人に、条件を設けずに、給付しようと言う。働く意欲があるのに働くチャンスのない人や、働いても十分な賃金の得られない人は勿論のこと、高収入の人にも、働くつもりのない人にも、等しく同額の給付をすると言う。
 「なぜ金持ちにまで給付するんだ!?」
 「なぜ働く気のない怠け者に給付するんだ!?」
 こういう拒絶反応がでるだろう。これまでの常識からすれば、もっともな反論だ。しかし、じっくりと想像してみると、ベーシック・インカムからいろいろなメリットが生まれることが分かる。

 まず、先に述べた村の現状に対しては、どういう影響が期待できるか。
 今、農業では将来設計が立てられないから、若者は村を出て行く。村に残っても、勤め人になる。しかし、ベーシック・インカムが保障されれば、贅沢はできなくとも、安心して家の農業と地域の担い手になれる。
 都会から、現代文明への問題意識をもって、あるいは理想の生き方を求めて、農的暮らしに憧れる人にも、踏み切る勇気を与えるだろう。若い力が農山村に入り、農地や山が再生され、伝統文化も継承されていくかもしれない。

 一方、都市部においてはどうだろう。
 生存を維持するため、苛酷な労働を強いられている「ワーキング・プア」の人たちが解放される。職を失いたくないがために劣悪な労働条件に甘んじざるを得ない人がいなくなるから、つらい仕事の対価は正当に上昇するだろう。また、自分の倫理観に反する業務を命じられても、拒絶できるようになる。(一方で、企業の側においては、解雇通告を出しやすい雰囲気が生まれるかもしれない。)
 現状では、将来への不安から、就職や資格取得など、目先の損得に縛られている人が多いが、ベーシック・インカムが保障されれば、自分の夢やこだわりのために生きる人が増えるだろう。食うために生きるのではなく、自分らしい何かのために生きることが可能になる。じっくりと取り組める人生、やり直しの効く人生へ、ベーシック・インカムは、人生観さえ変えるかもしれない。

 (中略)

現代社会では、労働は、賃金によってのみ評価されている。しかし、それでいいのだろうか? 家事や育児などは、大変重要な仕事であるのに、賃金では評価されていない。農地を守るため、儲からないのは承知で、畦や水路を守り、炎天下の草刈りに汗を流すお年寄りは大勢おられる。そのお蔭で、景観のみならず、都市の水源は涵養され、水害も未然に防がれているのに、これも評価されていない。伝統芸能を受け継いでいくために、一所懸命の人たちもいる。支えあいのボランティアも地域にとって重要だ。職人的な技も、評価を受けるまでには長い時間がかかる。今は理解されない研究や芸術が、後世に大きな影響を与えることも多い。人類の文化は、損得を超えたこだわりから生まれてきた。賃金で評価されない活動も、社会にとっては非常に大切なのである。

  お金一辺倒になってしまったこの社会構造は完全に行き詰っている。もうじき崩壊するであろう。それは同時に人間として何が大切かを思い出すチャンスでもあると思うのだ。

 


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