アンパンマンの優しさは戦争体験から [日記・エッセイ・コラム]
昨日のNHKクローズアップ現代 「マンガ家たちの戦争」を見ていて、アンパンマンがやなせたかしさんの戦争体験から生まれたことを知った。
こども たちとおんなじに、ぼくもスーパーマンや仮面ものが大好きなのですが、いつもふしぎにおもうのは、大格闘しても着ているものが破れないし汚れない、だれのためにたたかっているのか、よくわからないということです。
ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そして、そのためにかならず自分も深く傷つくものです。そしてそういう捨身、献身の心なくしては正義は行えませんし、また、私たちが現在、ほんとうに困っていることといえば物価高や、公害、飢えということで、正義の超人はそのためにこそ、たたかわねばならないのです。
あんぱんまんは、やけこげだらけのボロボロの、こげ茶色のマントを着て、ひっそりと、はずかしそうに登場します。自分を食べさせることによって、飢える人を救います。それでも顔は、気楽そうに笑っているのです。
さて、こんな、あんぱんまんを子どもたちは、好きになってくれるでしょうか。それとも、やはり、テレビの人気者のほうがいいですか。
(やなせたかし「あんぱんまん」あとがきより)
http://d.hatena.ne.jp/derorinman/20070202/1170437801
障害を持った子どもたちの学童保育の仕事をしている時には、アンパンマンの人形劇や紙芝居を手作りして、子どもたちを喜ばせた。母親になってからは、ほぼ毎日のように読んであげた時期もある。でも、このアンパンマンとそのストーリーの裏に、こんな深い思いがあることに気がついてはいなかった。
アンパンマンがこんなに有名になるまえに、2,3歳の子どもから人気が出たそうだ。やなせさんはこんなに小さな子供達を想定してはいなかったらしい。
私は生まれたばかりの子どもほど、神様とか天使とかいう存在に近いと思っている。だんだんと年齢が上がってくるにつれて、人間の狡さを身につけていく。それが人間として成長することと同義だと感じる。
いつまでも、幼い子供のような純粋さを保つのは何と難しいことだろう・・・・・
アンパンマンができるまで
http://d.hatena.ne.jp/derorinman/20070131/1170259999