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「こんなニッポンに誰がした」読んでみた。 [政治]

 こんなニッポンに誰がした―森永卓郎の政治経済学講座             森永卓郎氏のこの本、うすくて字が大きい、でも内容は結構は深い。

 それから、うふふ、って笑いが出るほどシンプルでわかりやすい、明解、

 私はまわりくどいのはあまり好きではない性質なので、こういう明快な言い方は好きです。

 少々、本文の中からひろって例を挙げてみると (赤字は引用箇所です。)

まず、テロリズムについて

 私はその本質的な原因は、貧困、あるいは耐えがたいほどに達した不公平感なのだと思います。(途中略) 市場原理というのは努力や能力の差を必要以上に増幅して所得に反映させてしまうのです。(途中略)「テロを根絶させるための戦いを続ける」と経済的勝ち組の国や人が言ったとしても、それは単に憎悪の連鎖を生むだけだと思うのです。

リーマンブラザーズの破たんの背景にある本質  

アメリカの金融資本主義は作り上げてきた信用バブルの崩壊

金融資本主義については

愛情とか思いやりのかけらもないお金持ちたちがカネで人や会社や政府まで支配してしまうのが、金融資本主義の特徴です。

そして、不平等や戦争を引き起こす原因については、

私は、「自分だけが幸せになればよい」という考え方が、戦争を肯定する人たちの心と、市場原理主義をふりかざし人の心のなかに共通して存在するのだと思っています。

全く同感です。これだけ読むと全然詳しい説明がないのかと思われそうですがそんなことはありません。ただ、今まで、、あまりにも経済用語を使ったわけのわからない説明が多すぎたのでここまでシンプルに言ってもらって感動したのです。もちろん、細部を見ればいろいろな局面が見えるのでしょうが、私自身は物事の本質というのはとてもシンプルなことではないかと思っています。

そしてこれからの社会については

人々が互いに助け合い、世の中のためになるモノやサービスをつくり出す人が尊敬され、カネをふりかざす人が軽蔑される社会。それがこれから訪れる普通の社会なのです。

森永氏はあとがきの中でそのためには私たち一人一人が自分のできる場所で、自分のできる最大限の抵抗を権力に対してすることや声を上げること等の努力が必要だといっています。

私もそう思います。しかし、それだけの心と意志と行動力を持っている人達がどれくらいるのだろうか?ふと思ってしまう自分もまたいます。私達の社会にありとあらゆるマスメディア、教育、娯楽、等を通してばらまかれたおカネ中心の価値観は一人一人の奥底まで、深く深く入り込んでしまったように思うのです。

私の娘は中学生ですが、先日の三者面談でとても褒められました。成績が30番くらい一気に上がったからなのですが、そのことに対するお誉めは大変ありがたく頂戴しようと思うのですが、親に対する先生の態度の変化があまりにも露骨だったので素直に喜べないのです。担任の先生はあまり細かいことにもこだわらず、学校の中でのびのびさせてくれるとても良い先生と思っていますが、子どもの成績のよし悪しは親の評価にまで影響するのかと思うとさびいしいものです。先生本人は御自分のそのような態度の変化にはお気づきになっていないでしょう。それにその事を先生個人の責任にするには今の日本の教育現場の状態を考えると正当ではないかもしれません。学力を伸ばして子どもの未来の可能性を広げると言えば、大変聞こえは良いですが、学力で子ども、親、人格の評価がされてしまうというのが今のところの実情です。

そして、学力の向上=安定した職業につく可能性の向上=お金が儲かる仕事につく可能性の向上という概念はそう簡単に変わらないようにも思います。受験戦争という言葉に象徴されるように「自分だけが幸せになればよい」という考え方が今の教育の根底にあると思います。いじめという行動の裏にはそんな鬱屈した気持が隠されているのだと思います。戦後、このような教育を受けて育った私達がその価値観から脱却するのはそう易しくはないと思ってしまいます。変われないと全くあきらめているわけでもありませんが。

また、社会に対して行動することも大事ですが、まず社会に対して行動できるだけの自分を確立するためには家庭や友人、本当に一番身近な人たちに対して思いやりと愛情を持って行動することから始めなければならないと思います。

参考 マガ9対談 堤未果さんX森永卓郎さん  どうなるのこれからの世界、日本、アメリカ

 


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